ハコミセラピー

ハコミセラピーとは?

ハコミセラピーは、アメリカのセラピストであるロン・クルツによって80年代に確立された最新の心理療法の一つです。
「ハコミ」という言葉は、日本語ではなく、アメリカの先住民ホピ族の言葉で、「日常の様々な側面に対して、あなたはいかに参画しているか?(How do you satand in relation to these many realms?) 簡単に言い換えるならば、「あなたは何者か?」という意味を持っています。

ハコミセラピーのベースに流れるもの

ハコミの創始者であるロン・クルツは、仏教思想、タオイズム(老荘思想)などにも深い関心があり、これらの哲学はハコミにおけるセラピストの在り方や人間成長に対する考え方のベースになっています。また、ロンが物理学を専攻し科学者としてのトレーニングを受けていることから、システム理論もハコミの重要な土台となっています。
最新の人間科学から精神世界にまでわたる豊かな見識、人間に対する深い愛情からハコミセラピーは生み出されました。

 

心と身体はつながっている

ハコミは、Body-centered psychotherapyです。身体を手がかりに無意識と繋がり、身体に現れる無意識からのメッセージに意識を向けるなど、身体と心の相関性を重視しています。
このことは、身体の構造や身体表現は、その人自身を形成する内面的な心の構造を表している・・・という考えに基づいています。
ロンクルツは、ライヒ派セラピー、ゲシュタルトセラピーを中心に様々な心理療法を学び、バイオエナジェティックスの原理、フェルデンクライスのメソッド、ロルフィングなどの多くの身体療法をセラピーに取り入れていきました。ハコミが身体からのアプローチを重要なメソッドとしているのは、こうした背景からです。
夢が無意識への入り口と言われるように、身体もさまざまな無意識的なメッセージが潜んでいます。ただ、“話し”をして気持ちを整理したり見つめるだけでなく、“話し”をしているまさにその時に起こっている身体に意識を向けて行きます。

 

自己探求としてのハコミ

ハコミセラピーは、Assisted Self Discovery・・・「援助者付きの瞑想」「援助者付きの自己探求」とも言われています。
自分探しのプロセスを非常に丁寧に無理なく援助していきます。
ハコミでは、ある深いルールを意識化しようとしています。それは、不必要な苦しみを引き起こしているルールであり、真実をゆがめ、自分の体験を支配しているルールです。
私達の行動や知覚や思いこみに影響を与えている、無意識の中にある習慣や信念に気づいていく、自己発見・自己探求なのです。
自分がどのようにして出来事に意味づけをし、感じ方を決めているのかを学びます。
体験を形成しているシステム、すなわちコア・マテリアル(自分自身でも気づいていない固定観念や信念)の存在に気づくこと、コア・マテリアルを意識できるようにすることがセラピーの主要なゴールのひとつになります。
瞑想にも似た、自分の内側を静かに観察する意識状態(マインドフルネス)にとどまり、「今、自分の内側で何が起こっているのか」に気づくことで、それまで人生をコントロールしていた固定観念や信じ込み、決めつけやあきらめを変容させていきます。
ハコミでは会話から体験へ、過去から現在へ、どこか他から今ここへ、日常意識からマインドフルネスへ、自分がやることからまかせることへ、自己表現から自己探求へ、と注意を向けていきます。
マインドフルネスは、現在、認知療法や行動療法にも取り入れられ、新しい可能性として注目されていますが、ハコミでは、マインドフルネスの中で体験を呼び起こすというアプローチによって、独自の道を見出したのです。

自分自身のセラピストに、スピリュチュアルなトレーニングへ

ハコミをユニークなものにしているのは、マインドフルネスの意識状態の中でさまざまな反応に気づき、その下にあるビリーフや習慣に気づいていけることです。
ハコミの柱である「マインドフルネス」は、「あるがままに観ていく」を主軸に置いたヴィッパサナー瞑想に端を発しています。意識の雑音を下げた、自己観察的なこの意識状態では、感受性が高まって普段では気づかない身体の感覚や無意識からのイメージ、内面の感情に気づき安くなります。
癒しや、得られなかった体験を満たすことも目的ですが、ハコミセラピーの大きな特徴は、マインドフルネスになり、自分自身に気づくことを実践していくことです。その実践が習慣となれば、自分自身のセラピストになることができ、また、外部から内部への意識の向け方、何かを探すことから、来るものを待ち受けることへと注意の質を転換する実践は、スピリチュアルなトレーニングにもなっていくのです。

日本人にあった繊細なアプローチ

西洋人に比べて、自我の意識状態が弱く、自分を表現することが不慣れな人が多い日本人にとって、こうした内省的なアプローチは日本人の心理的傾向にとてもあったものと言えるでしょう。
反応が応答になり、習慣が選択に変わる。「成そうとしなくても成されていく」ことが起きてきます。ハコミのベースにはタオイズムがあります。
ハコミセラピーを通じて、自分の人生について深い洞察や「統合」とも言える意味深い体験をするようになります。まさにそれは喜びのための自己発見・自己探求の旅なのです。

抵抗の扱いに長けたセラピー

ハコミセラピーの大きな特徴は、抵抗の扱い方にあります。
無理に抵抗を突き破っていくようなことはしません。むしろ、その抵抗そのものを援助していきます。
「あなたがしているその行為を、どうぞ、私にもお手伝いさせてください」という姿勢でかかわるのです。
抵抗もその人の一部がやっている何か意味のあることだからです。そのかかわり方は、まさにハコミがノンバイオレンスであり、ベースにタオイズムが流れていることを物語っています。無理強いされたように感じたり、侵入されたように感じることがなくなると、無意識からのサポートが得られ、抵抗の背後にあるより深い自己治癒のプロセスを自然にかつ巧みに呼び起こすことができるのです。
そのアプローチの繊細さから、特に米国では「東洋的で繊細な最新セラピー」という評価を受けています。
当セラピールームではハコミセラピーを通して、「自分自身をあるがままに観ていく」ことを助け、「成そうとしなくても成されていく」状態になるのを援助します。
生き辛さを感じている方はもちろん、健康な方がより健康に成って行くための自己探求に成りうる優れたセラピーです。ぜひご自身の叡智を体験していただければ幸いです。

(文責:玉木素子)

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