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ソマティック・エクスペリエンスとは?

ソマティック・エクスペリエンスとは、身体に閉じこめられたエネルギーを解放し、トラウマを癒す手法です。
最大のポイントは、身体感覚を手がかりにすることにより、極めて安全、かつ「非暴力的」な形で癒しが進んでいくところにあります。
トラウマを脳科学的な観点からみると、思考や認知といった大脳新皮質はあまり関与していません。むしろ、「爬虫類脳」といえる原始的な領域や、神経系が大きく関係しています。爬虫類脳は、逃げるか、闘うかといった生存本能を司っています。
恐怖の記憶はこの爬虫類脳や神経系と結びついています。トラウマの原因となった出来事を思わせる外部の刺激があると、爬虫類脳や神経系は体の反応を呼び覚まし、本人の感情と体を強く突き動かします。例えその恐怖の記憶が、意識上では忘れていたとしてもです。やっかいなことに、外部の刺激がもはや自分を傷つけることがないにもかかわらず、爬虫類脳や神経系はひたすら本人の感情と体を強く揺さぶっていくのです。

身体感覚を使って深いトラウマを癒す

そこでソマティック・エクスペリエンスでは、身体感覚を使って、トラウマを見つけ出し、深い領域に閉じこめられている「トラウマのエネルギー」とも言えるものを解放していきます。エネルギーが解放されると、本来の自分自身が持っている自己調整能力や順応力が復活してきます。
つまり、壊れていたサーモスタット(温度調整装置)がきちんと機能しているような感覚になり、多少のネガティブな状況では動じない強さが自分の内側に舞い戻ってきます。結果として、「いまここにいるありのままの自分」を楽しめるようになってきます。ソマティック・エクスペリエンスを通じて、鬱病やパニック障害、依存症などといった様々な症状が緩解しやすくなるのは、こうした理由からです。さらには対人的な恐怖心や嫌疑の心が和らぎ、調和の取れた人間関係が構築できるようにもなります。

(文責・玉木素子)

ソマティック・エクスペリエンス

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