発達性トラウマ(複雑性トラウマ)のための 【タッチセラピー】

タッチセラピーでは、タッチ(手で触れる)を通して、神経系、免疫系、内分泌系に直接働きかけ、自己調整できるように促していきます。過剰な活性化と機能不全を起こしている体内システムに調整力が戻ってくると、症状の改善だけにとどまらず、安心安全感を内受容感覚で感じることができるようになり、「自分」という感覚がしっかりと持てるようになっていきます。

発達性トラウマ(複雑性トラウマ)へのアプローチ

「愛着障害」「発達性トラウマ」「複雑性トラウマ」「早期トラウマ」「周産期トラウマ」「アタッチメント(愛着)」といった概念が注目されはじめています。

 

脳の記憶に関わる海馬は、乳幼児期には、まだ完成していません。このため、海馬が未完成の乳幼児は、海馬を必要とする記憶ができません。海馬がほぼ完全な形になるのは、おおよそ2歳から3歳くらいであると考えられています。

従って、言語習得以前、2歳から3歳以前の事柄をセラピーで扱う際、言葉を使ったアプローチでは限界があると考えられます。

 

では、言語習得以前のトラウマには、どのように働きかけたらいいのでしょうか?

海馬が発達する以前の赤ちゃんや子どもは、どのように世界をとらえているのでしょうか?

言葉を話すことができない幼児期は右脳を使って、養育者とコミュニケーションをとっていきます。

養育者とのアイコンタクトや、表情などを通して安心や安全の感覚を育んでいきます。

赤ちゃんは、最も身近にいて自分の世話を焼いてくれる母親とのかかわりを通して

「心の深い結びつき」=アタッチメントを形成します。


アタッチメントが形成されると、子供は母親への絶対的信頼を持ち、

「ママがいると安心、ママがいないと不安」という感情を持つようになります。

子供が母親の後追いを続けたり、母親の姿が見えなくなっただけで大泣きするのは、

アタッチメントがきちんと形成されている証拠です。

養育者との関係を通じて子どもが獲得するアタッチメントのスタイルは4つに分かれます。(①安定型②不安型(アンビバレント型)

③回避型④混乱型)

発達性トラウマ(複雑性トラウマ)のためのタッチセラピー​では安心安全を感じている時、

身体ではどんな生理反応が起きているのか?逆に安心安全を感じることができない時に、

身体ではどんな生理反応が起きているのか?に着目していきます。

 

安心安全の基地となる母親と安定したアタッチメントが形成されている時、「癒し系のホルモン」が形成され、

副交感神経を活性化します。基地に戻り安心安全を充分に感じ休息し、また外の世界に冒険に出かけることができるのです。

ほど良い交感神経の活性化と、ほど良い副交感神経の活性化・・・という、レジリエンス(回復力)を伴った健全な自律神経の

パターンが形成されます。一方、養育者との間で安定したアタッチメントが形成されていない場合、基地である母親から安心安全を

感じることができません。外の世界で危険に遭遇して交感神経が活性化し、たとえ基地に戻っても、安心安全を感じることができない為、交感神経の活性化は収まることができません。そのため「闘争系のホルモン」が出続け、過覚醒状態が続き、緊張や不安が作り出され不定愁訴となっていきます。

発達性トラウマ(複雑性トラウマ)のためのタッチセラピーでは、タッチ(手で触れる)を通して、神経系、免疫系、内分泌系に直接働きかけ、自己調整できるように促していきます。過剰な活性化と機能不全を起こしている体内システムに調整力が戻ってくると、症状の改善だけにとどまらず、安心安全感を内受容感覚で感じることができるようになってきます。グランディング力が生まれ自己という感覚がしっかりと持てるようになっていきます。

(文責・玉木素子)

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